お知らせ

2013年06月26日

(連載企画) 農林水産物の海外輸出について【NO1】

先日、同僚の丸若議員とネット選挙解禁セミナーに行ってまいりました。
その帰り、農水省とジェトロに寄ってきました。目的は、農産物の海外輸出を探るためです。

今、日本はTPP参加交渉の場についています。
日本の農業が壊滅する、いやいや農業にとってチャンス到来だ、いったいどちらの言い分が正しいのでしょうか?
いずれにしても、現状でも農林水産業は厳しい状況にあります。
一次産業が主力の徳島県においても一日も早い対策が必要です。

徳島県の農林水産物を海外で売りたい。市場を拡大し、儲かる農林水産業にしたい。
私の思いも、県庁の目指す方向も同じです。

農林水産業の海外輸出戦略について、これを皮切りに、シリーズでこのブログに掲載していきたいと考えています。
掲載内容は、県の政策を紹介するのではなく、私の思いや意見そして調査研究したことを中心に書きたいと考えています。
皆様のご意見や知っている情報などございましたら是非お知らせ下さい。

まず、一回目の今回は、私の狙い(思い込み)と農林水産省、ジェトロへの視察から知り得たことを書いてみます。
私が農産物の輸出について考えたこと、つまり今回の行動の動機を整理してみますと、

  1. まず、どこを市場とするか?
    儲かる農林水産業にする為には、生産性向上対策の他に新たな市場の(需要)開拓が欠かせません。
    その新たな市場の一つが海外です。
    私は、シンガポールをターゲットと定めたいと考えています。
    • シンガポールは人口530万人、定住規模は小さいが、年間観光客1,000万人超であり、十分な市場があると考えます。
      また、観光客が多いと言うことは食事内容もそれなりに国際色豊のものとなっていると想像できます。
      食生活は外食依存度が高い国であると言われています。
    • また、6世帯に1世帯が、100万ドルの金融資産を持っているほど豊かな国です。
    • 日本とはEPA締結国であり、関税や検疫などの障害が少なく輸出しやすい国となっています。
  2. 次に、何を売るのか?
    できるだけ多くの農家がチャレンジすれば作ることができる野菜全般を視野に入れて考えたいと思います。
    特別なブランド農産物なら競争力もありますが、誰にでも作ることができず裾野が広がりません。
    『徳島県の農業全体を嵩上げする』
    その為には、広く農家が携わることができる作物、徳島県においては、さまざまな野菜だと考えます。
    非常に難易度の高いことですが、まず第一にこの可能性について探ってみたいと思います。
    農家の集約・大規模化、作物のブランド化等、仕組みや競争力のアップ等を前提とせず、現状の中で、その可能性を探り、結果としてあるべき姿を模索していきたいと考えています。
  3. 次に、いつ取り組むのか?
    最近はやりの言葉ではないのですが、私は、今が絶好のチャンスだと考えます。
    今、海外では日本食ブームが起こっています。
    シンガポールにおいても同様、日本食レストランが急増しています。
    現在500~600軒の日本食レストランが存在すると言われています。
    加えて、国はクールジャパンの一環として日本料理の売り込みをかけようとしています。
    大きく食文化の輸出に舵がきられました。
    風向きは追い風、徳島県はさまざまな種類の作物がとれる農業県、しかも東南アジアの国々とは地理的に近いところにあります。
    小松島赤石港湾の整備も終わり、絶好の機会が到来したと考えています。
【表1】 シンガポール 国別輸入額
【表1】 シンガポール 国別輸入額

【調査報告1】 農林水産省、ジェトロに行って

日本料理の海外戦略のことについて農林水産省に行ってきました。
書類はたくさん出てきたのですが、あまり得るところはありません。
まだまだ始まったばかりなんでしょう、と善意に解釈して、その後、ジェトロに向かいました。
ここでは少し驚きました。

まず、表1をみて下さい。
シンガポールの食料輸入総額は127億42百万ドル(日本円にして約1兆1千億円)、その内、日本からの輸入額は2億29百万ドル(日本円にして約190億円)、シェアにして1.8%

【表2】 日本からの品目別輸入額
【表2】 日本からの品目別輸入額

次に、表2から、内訳をみますと、やはり日持ちのする調味料や小麦粉などの原材料品、タバコなどの嗜好品や酒類を含む飲料水等が上位に来ています。
野菜は30位でわずかに190万ドル(日本円にして約1億6千万円)しかありません。
やはり輸送距離の壁があるのでしょうか?
それとも野菜は現地供給で十分なのでしょうか?
まさかと思いますが、日本の野菜は口に合わないのでしょうか・・・

今度は、表3から、果物の各国の値段比較を見てみましょう。

一例からですが、

  • リンゴ一個の値段、
    日本 300~380円
    中国 65円
    アメリカ 35円
  • なし一個の値段、
    日本 470~790円
    中国 95~155円
    アメリカ 60円
  • ブドウ一個の値段、
    日本 1,500~2,400円
    韓国 630円
    アメリカ 710円

この数値は、実際に小売店で調べた値段です。恐るべき値段の違いです。
日本の商品は何故こんなに高いのでしょうか?いやむしろ、アメリカの商品は何故こんなに安いのでしょうか?
輸送料はどうなっているのでしょうか?アメリカの生産者の取り分はどうなっているのでしょうか?

【表3】 食品の市場価格比較
【表3】 食品の市場価格比較

これらの視点から全体を再整理してみますと

  • 生鮮食品は日本からだと物理的な限界があるのか?日数がかかりすぎる?
  • 日本産は何故こんなに高いのか?送料もアメリカの方が距離がある分高いように思うが・・・。
    日本は余程の高コスト体質なのか?
  • シンガポールの主食には、特別な食材、料理があるのか?
  • 現地の日本料理というのは、現地食材を日本風にアレンジしたものか?
    日本のレストランは食材をどこで調達しているのか?
  • シンガポールは埼玉県ほどの面積、食料品の海外依存度は高く、また、食文化は外食依存度が高い国、
    流通経路はどうなっているのか?
    日本からシンガポールまでの所要日数は船便で10日~14日は必要だとのことです。

そこで、まず、A汽船株式会社に問い合わせをしてみました。

やはり徳島の食材を売り込むには無理があるのか・・・。
いずれにせよ、これらの現実を調査し、課題をクリアにしない限り、シンガポールへの食材輸出は考えられません。

〈続く〉