お知らせ

2013年07月17日

<連載企画> 農林水産物の海外輸出について【NO2】

シンガポールへの野菜輸出について検討するためには、貿易の実情を知る必要があります。
まず、私は東南アジアと交易のある県内在住のB社、C社を尋ねました。

B社は果物を海外から輸入しています。
国内有数の○○商事を経由し、輸入しているとのことでした。
ロッド(数量)がなければ、自社で輸入コストは賄えない。
仕入れ値は少々高くとも、総合商社に頼らざるを得ないとのことでした。

続いて、C社。こちらは食料品ではなく、自社製品機械を海外へ輸出しています。
船便を利用しているとのことでした。受注発注のためその都度、送料見積もりを依頼し搬送しているとのことでした。
私が、県産食料品、とりわけ野菜の輸出の可能性を探っていることを告げると、食料品のことはよくわからないが、船便なら冷凍冷蔵設備が必要だろう、やはり空輸ではないかとのことでした。
なぜなら、海外への輸送はコンテナが原則だが、船便なら、時には60℃にも達することがあるからだとのことでした。
一度、温度でスチールが変形し困ったことがあるそうです。

シンガポールには、やはり野菜の輸出は無理かもしれない、距離的に近く比較的参入障壁の低い台湾や香港も視野に入れて考えた方が良いのだろうか?そんな考えも頭をよぎりましたが、前にも触れたとおり、シンガポールは、殆ど自国での食料生産はなく、裕福であり、外食比率も高い国です。
そして何よりも中国の影響を受けやすい香港や台湾とは違い、政治的な制約を受けることはないと思われます。
つまり、日本国内市場で競争するのと近い状況にあると私は考えています。
シンガポールへの道筋を考えることは、必ずやその先に、新たな徳島産農産物の市場開拓のあり方が見えてくる
ものと考えています。

船便に関しては解決すべき課題があることがわかってきましたが、ひとまず置き、次に角度を変え、シンガポールの誰に売るのかという観点から調査してみます。

販売先ターゲットとしては、

  1. レストラン、ファーストフードや居酒屋等の飲食店
  2. 百貨店やコンビニなどの小売店
  3. そして個人への直接販売

が考えられます。

外食比率が高いことから、優先順位を ①飲食店 ②小売店 ③個人と設定し、その可能性を探ります。

シンガポールには、500~600軒の日本料理店があると言われています。
インターネットでシンガポールのガイドマップを見てみますと、200店舗弱の日本料理店、寿司店、ラーメン店、居酒屋、カフェ等が出てきました。
これらの内、日本に同名の店があるところをリストアップしてみますと15店舗ありました。
(実際にはもう少しありそうに思うのですが・・・精査はひとまず置き)
今回は、これらの店舗の内、4店舗に電話で問い合わせを行いました。

まず、日本でも全国展開をしているハンバーガー店D社の事例です。
ハンバーガーには当然野菜が使われています。
D社で使われている野菜は、トマト・レタス・サニーレタス・玉ねぎ・レモン・キャベツが主力です。
私が野菜について日本からの輸出を考えていると告げると、D社ではすべて現地調達、ほとんどの野菜は、マレーシアから調達しているとのことでした。調達方法は問屋(こう呼んでいました)からとのことです。
安定供給そして各店舗までの配送を条件に契約しているとのことでした。
レタスをマレーシアで生産できるのかと尋ねてみますと、山間部つまり高地で生産をしているとのことでした。
しかも、D社では葉の詰まったものより少しふんわりとしたものを使うそうなのですが、生産者はこの要望に対応してくるそうです。レベルの高さを感じさせられました。
ちなみにD社の国内店舗は契約農家から納入しているとの事でした。

続いて、とんかつ店E社。E社は海外8カ国、計120店をフランチャイズ方式で運営しているとのことでした。
フランチャイザーとして譲れないものは日本から送っているそうです。
具体的には、ドレッシングなどの調味料がそれにあたります。
シンガポール店舗は野菜は現地調達、主力であるキャベツは台湾産だそうです。
ちなみに豚肉は東南アジア産とのことでした。

定食屋のF店は、シンガポールに3店舗あります。野菜は現地調達、すべて現地でそろうとのことでした。
但しお米は、全農国際部より仕入れているとのことでした。

最後に、レストランG社。ここでは興味深い話を聞けました。
G社が食材としている野菜は、レタス、人参、玉ねぎ、大根etc、あらゆる野菜を使っているそうです。
今、野菜類は現地調達でまかなっているそうですが、シンガポールの物価は高く、野菜類の仕入れ値段は、日本の仕入れ値段と比べて少々安い程度、大まかに言って2割安のものから2割高の野菜まであるそうです。
シンガポールの人は原産国や産地表示についてはあまり気にしないのかと尋ねると、担当者の方曰く、日本産の食材は、日本産と言うことで十分競争力があると思うとのことでした。
現に店舗によっては日本産○○使用と表示してある店舗もあると言うことです。
今、G社では海産物を日本から送る試みをしているそうです。
ただ、航空便運賃を含めると現地調達の価格の2倍になるそうです。本当は野菜を送りたかったそうなのですが・・・。
やはり、運賃の壁があるようです。
ですが、航空便運賃というのは、1コンテナを送るのと複数のコンテナを送るのを比較すると、大量に送れば送るほど単価は安くなるとのことでした。
もう少し量があれば十分に採算のとれるものになると担当者の方は話していました。
自店だけの規模では無理だと悔しがっていました。
日本の農産物を海外輸出しようと、ヤマト運輸さんが研究?しているそうです。
一度聞かれてみてはいかがでしょうかとのアドバイスまでいただきました。

- 次回調査は、参議院選挙後に -

〈続く〉